呼気に含まれる二酸化炭素
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呼気の二酸化炭素濃度を求めた。
実験結果は上の表1の通りである。
物質量は使用した三角フラスコの中に含まれている二酸化炭素の物質量である。
濃度については二酸化炭素の物質量から計算した22度、990hPaでの体積を
三角フラスコの内容積(129 mL)で割った値である。
また、図2のグラフは実験を3回行ったときの平均値を使用した。
呼吸回数に比例してCO2 濃度増えていくのではなく、飽和する傾向が見られる。
これは、2回目以降の吸気とした袋中の気体の二酸化炭素濃度が高いため、
肺で血液中の二酸化炭素を十分放出できなかったためではないかと考える。
次に、この実験結果をもとに人が呼吸によって排出しているCO2量を計算する。
1分間に15回、1回の呼吸量を500 mLとすると、
1分間の呼吸量は、500 mL/分×15回=7500 ml/分となる。
実験結果より、呼気にはCO2が2.74%含まれているため、7500 mL/分×2.74%=206 mL/分となる。
よって5分間の呼吸で排出されるCO2の気体量は、206 L/分×5分=1030 ml≒1Lということになる。・・・(*)
呼気中の二酸化炭素は食物の代謝に起因する。CO2発生量と代謝エネルギー量の関係を次に考察してみよう。
人が1日のエネルギーとして摂取する食物の5割から7割は炭水化物である。
今回はその中でも、ブドウ糖(C6H12O6)を例にとって考えてみると、
炭水化物は1gにつき4kcalのエネルギーを得ることが出来る2)ので
ブドウ糖1 mol(180.154 g)では、4 kcal/g×180.154 g/mol = 720 kcal/mol
よって、C6H12O6 + 6O2 = 6CO2 + 6H2O +720 kcal/mol となる。
この式より、ブドウ糖と二酸化炭素の物質量の比は1:6ということがわかる。
つまり、ブドウ糖1 molを燃焼するときに出る二酸化炭素の気体は標準状態で22.4 L/mol×6 mol=134.4 Lである。
(*)の実験結果より、人は5分間で1LのCO2を出すということがわかったので、
5分間の気体で燃焼しているブドウ糖の物質量は、1 L÷134.4 L/mol≒0.008 molということがわかる。
よって、5分間で発生するエネルギーは、720 kcal/mol×0.08 mol=5.8 kcalである。
1日の呼吸から得るエネルギーを換算すると、5.8 kcal×12×24 = 1670 kcalとなる。
人間の基礎代謝量は、基礎代謝量基準値を見てみると、18〜29歳の女性は23.6 kcal / kg / 日 である。
仮に体重を50 kgとおくと、23.6 kcal/kg/日×50 kg = 1180 kcal / 日 となる。
座位で静かに休息している状態の代謝のことを安静時代謝量といい、通常は基礎代謝量の10〜20%増しとなる。
計測を行った時は安静時であったため、基礎代謝量に10〜20%をプラスして考えてみると、
1180kcal / 日 ×110〜120% = 1298〜1416 kcalとなる。
これは、実験結果の値と近い値になっており、実験が妥当なものであったと解釈できる。