コイルとコンデンサー


ループアンテナなどを理解するときにコイルとコンデンサーの働きを知っていることが重要です.


コイル

コイルは導線をぐるぐると巻いたものです. これは電磁石になることからもわかるように磁場に関係します. 交流回路においては電流の変化を妨げる働きをします. コイルを特徴づける量としてインダクタンスがあります. コイルに直流電流を流したときに磁力線が何本できるかを表すのがインダクタンスです. 単位はヘンリー(H)を使います.

円形コイル(ソレノイド)のインダクタンス L は次のように表されます.

L = K μ N2 S / d

ここで,K:長岡係数,μ:透磁率,N:コイルの巻数,S:コイルの断面積,d:コイルの軸方向の長さ. K はコイルの直径とコイルの長さで決まる. これから,インダクタンスはコイルの巻数 N の2乗と断面積 S に比例し,コイルの軸方向の長さ d に反比例します.


コンデンサー

コンデンサーは2枚の導体板を向かい合わせておいたもので電気をためる働きがあります. コンデンサーを特徴づける量として電気容量があります. 電気容量はコンデンサーにどれだけの電気をためられるかを表します. 電気容量は導体板の面積に比例し,導体板の間隔に反比例します. 単位はファラド(F)を使います. 特に電気容量を変えられるようにしたコンデンサーをバリアブルコンデンサー (バリコン)といいます. 通常は,導体板の向き合った面積を変えることで電気容量を変えています.


共振回路

コイルとコンデンサーを組み合わせることで共振回路を作ることができます. 共振というのは,外部から加えられる振動の周波数と物体の持っている固有の周波数が一致すると物体の振動が激しくなる現象です. 共振を用いることで,たくさんの周波数の中から特定の周波数だけを選び出せます. 中波ラジオのアンテナというのは共振回路なのです.

電気容量 C のコンデンサーとインダクタンス L のコイルを組み合わせたときの共振周波数 f は次の式で与えられます.

f = 1/{2π( L C )1/2}

中波ラジオ用のバーアンテナのインダクタンスはおよそ300μHであるので,最低周波数の500kHz程度を共振できるようにするためには,バリコンの容量は最大300pF程度あればよいことがわかります.

ここでp=10-12,μ=10-6を表します.


共振回路の質“Q”

共振回路の共振の鋭さをあらわす量として Q (Quality factor)があります. Q は共振周波数の周りの帯域幅(電力が半分になる範囲)を与える量です.

直列共振回路の Q は次のような式であらわせます.

Q = f0 / Δf = 2 π f0 L / R = 1 / ( 2 π f0 C R ) = ( L / C )1/2 / R

ここで,f0 は共振周波数,Δf は共振周波数の周りの帯域幅,コイルのインダクタンス L,コンデンサーの容量 C,共振回路の電気抵抗 R です.

この関係式から Q を大きくするためには,電気抵抗と容量を小さくし,インダクタンスを大きくすればよいことが分かります.

中波受信用のバーアンテナの Q は100〜300程度はあるので,帯域幅は10kHz程度になります.

[共振のグラフ]

Q が変化すると共振がどのように変化するかを示したグラフ. 横軸は周波数を規格化したもので,1 が共振周波数. 縦軸は回路に流れる電流を規格化したもの. ここで,回路の電気抵抗は一定とし,インダクタンスが L = K μ N2 S / d,コンデンサーの容量は共振周波数が 1 になるようにしてある. また,電波により回路に生じる電圧が V = 2 π N S / λ となることを用いている. このように Q が大きくなると共振のピークが鋭くなることが分かる.


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