ラジオの動作原理


ラジオの動作原理も知っておくといろいろと役に立ちます. ここではAMラジオのしくみについて簡単に説明します.


もっとも基本的なラジオの回路

ラジオで最も簡単なものは鉱石ラジオです. 鉱石ラジオの仕組みがわかれば,もっと複雑なラジオの仕組みも分かります. 鉱石ラジオの回路構成は次のようになっています.

アンテナ → 同調回路 → 検波回路

鉱石ラジオはアンテナを長く張ってアースを取れば電源がいりません. この鉱石ラジオに増幅回路を組みあわせることで立派なラジオになります.

アンテナ

アンテナは到来する電波をとらえ高周波電流に変えます.

同調回路

同調回路は様々な周波数の電波の中から自分の希望する周波数の電波を選び出す働きをします. コイルとコンデンサーによる共振回路によって構成されます.

検波回路

高周波電流を低周波電流に変えることで音声の周波数を取り出します. これはダイオード,コンデンサー,抵抗を用いて構成されています. ダイオードは電流の片方の成分をカットします. 上下には同じ信号が含まれているのでそのままでは打ち消しあってしまいます. これを防ぐのがダイオードです. コンデンサーはとびとびの電流の隙間を埋め連続的なものに変えます. コンデンサーと抵抗を組み合わせた回路はローパスフィルターと考えることもできます.

AM信号の検波過程の図


スーパーヘテロダインラジオ

次に高性能なラジオとして一般的なスーパーヘテロダイン方式について説明します. スーパーヘテロダイン方式のラジオは混信に強く増幅が繰り返しできるので感度がいいという特徴があります. 次のような流れで音声信号を取り出します.

              発振回路(もとよりも455kHzだけ高い周波数を発生) 
                 ↑                         ↓
  アンテナ → 同調回路 → 高周波増幅 → 周波数変換 
                                            ↓
  低周波増幅 ← 検波 ← 中間周波増幅 ← フィルター 
増幅回路

弱い電流を増幅します.

発振回路

同調回路と連動し聞きたい放送局の周波数よりも455kHzだけ高い高周波電流を発生させます.

周波数変換

放送局からの信号と発振回路の信号を合成しうなりを発生させます. このうなりは455kHzになるので元よりも低い周波数にすることができます. この455kHzの信号はラジオの周波数と音声の周波数の中間にあるので中間周波数とよばれています. これによって隣の放送局との分離度を上げ増幅がやりやすくなります.

分離度があがる理由を考えてみましょう.1000kHzと1010kHzの信号があったとします. この周波数の分離度は(1010 - 1000)/1000 = 0.01です. これらの信号に900kHzの信号を混合したとしましょう. すると,1010kHz - 900kHz = 110kHz,1000kHz - 900kHz = 100kHzに変換されます. この時の分離度は (110 - 100)/100 = 0.1となり,元の分離度と比べて10倍に向上します. このような方法をヘテロダイン検波といいます. スーパーヘテロダインは変換される周波数を常に一定(普通は455kHz)にすることが特徴です. また,周波数を一定とする事で増幅回路の設計もしやすくなります. ただし,欠点もありイメージ混信という現象を引き起こす事もあります.

フィルター

455kHzを中心としてある範囲の周波数を通過させ,それ以外の余分な周波数をカットします. これによって混信を少なくできます. スーパーヘテロダインでは変換される周波数が一定なのでこのような方法ができるのです.

このように周波数を変換することで混信を減らすことができ,弱い信号を繰り返し増幅することができます. 市販のラジオでいい物になると周波数変換を2度,3度繰り返してイメージ混信の解消を図っています.


[ラジオの遠距離受信のテクニックの目次に戻る]