私が実際に作ったアンテナ


ここでは私が実際に 1995 年に作成し,名古屋において使用していたアンテナを紹介します.


アンテナの作成目標

なるべく大きなコイルとする事で,利得を上げる事と指向性の向上を狙った. 大きな物が利得があがるのは当然であるが,小型の物になると感度最小点が鈍くなる傾向がある. 室内は雑音が多い事から外への設置を考えた. また,楽をするために室内からコントロールできるようにする事も目標とした.

アンテナの形状

長さ90cmのヒノキの角材を板に放射状に取り付け,1辺の長さ90cmの六角形をつくった. これからアンテナの面積は2平方メートル程度となった. また,外に出しても大丈夫なようにニスを3回塗りしておいた. 角材には外側から2cmの間隔でストッパーを付け,巻き付けた導線を固定できるようにした. 間隔を2cmとしたのは,コイル自体が持つ容量を小さくしたかったためである. ここに導線を9回クモの巣状に巻き付けた. コイルのみの共振周波数は2000kHz程度であった. 一番内側に導線を一巻し,これを室内に同軸ケーブルを用いて引き込んだ.

バリコン

バリコンは最大容量320pFのエアバリコン. 購入価格は500円だった. 外に出しての運用を考えたので,バリコンはプラスチックの防水されたケースに入れた. ケースは弁当などに使う物をスーパーで購入した. また,なるべく楽をしたいのでケースにはモーターとギアボックスを入れ,これでバリコン容量の調節をできるようにした. このバリコンにより同調範囲は,500kHz〜1750kHz程度となった.

アンテナの取り付け

アンテナを回転させる機能も必要なためアンテナをパイプに取り付けた. パイプ自体をギアボックスを用いてモーターで回せるようにした. これで完璧に室内からのコントロールが可能となった. これらをアパートのベランダに固定した. 上記のように,アンテナからの出力は同軸ケーブルを使って室内に引き込んだ.

運用実績

制作に要した費用は5000円程度であった. モーターやギアボックスなどがなければ半分以下だったろう.

性能的にはまずまずであった. 昼でも関東からの放送は楽にキャッチできステレオで聞く事が可能だった. また,昼に朝鮮中央放送の621kHz,657kHzの受信にも成功した. 夜間では利得がありすぎるためか,混信がひどくなる事もあった. しかし,指向性がそれなりの物だったので,混信局を感度最小点に持ち込むと他の局が浮かび上がってきた. 1670kHzの船舶気象通報も深夜にはほぼ全局受信が可能だった.

バリコンの回転が室内からコントロールできるのは非常に重宝した. 外に出した事で室内でパソコンやテレビを使用しても雑音は入らなくなった. ただし,アンテナ自体の回転は,模型用のモーターにはきつかった事と雨への対策が不十分だった事もありうまく動かなかった.

この年の台風によりアンテナは破壊された.


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