教育制度のレクチャーと公立小学校(Parc Malou)の視察

2007-11-21日(水) 午前


Brussels の3番目の見学学校は、 The Brussels-Capital Region を構成する 19の communes の一つ、 Woluwe-Saint-Lambertにある Ecole Communale Parc Malouです。

ホテル(A地点)を出発し、D地点のcommune役場(hotel communal)に行き、教育制度のレクチャーを受け、 E地点の学校(Ecole Parc Malou)を見学しました。 昨日は午前にB、午後にCを訪れました。 (Google Mapをもとにしました。)

l'hotel communal での教育制度のレクチャー

l'hotel communal(commune役場)です。ここで、communeについて少し説明をしておきます。

日本の「市町村」にあたる自治体(英語ではmunicipality)は、ベルギー(の仏語圏)ではコミューン(commune)と呼ばれています。

首都ブリュッセル2言語併用地域(la region bilingue de Bruxelles-Capitale)に属する19のcommuneを東京都の特別区に見立てて、しばしば「区」と訳されるようです。 しかし19のcommuneの一つとしてブリュッセル市(Ville de Bruxelles)が含まれること、communeの独立性が東京の特別区に比べ強いことなど、この類推には問題があると考え、私のページでは敢えて「区」と訳さず、communeと呼ぶことにしました。

l'hotel communal の前の Avenue Paul Hymans(N226) の左側(南西方向)を見たところ。 昨日の昼にも通った、Montgomery Circle(噴水が印象的)から、N226を通って、こちらから来ました。
Avenue Paul Hymans(N226) の右側(北東方向)を見たところ。 Metro 1Bの Tomberg 駅の入口が見えます。

l'hotel communal では、教育担当の第一助役(premiere echevine, 通訳は「第一区長代理」と訳していました) Monique Louis-Halkin 女史による、仏語共同体の教育制度の説明を聴きました。日本の「助役」は、ずっと役場で勤務して来た人がなることが多いと思いますが、ベルギーの助役は選挙で選ばれた議員の中からなるようです。 いろいろお話を伺いましたが、とりあえず特に印象に残ったことを次に記しておきます。

道徳(宗教)の授業は、カトリック、プロテスタント、ユダヤ教、正教会、イスラムの5つの宗教と無宗教(社会道徳)の中から親が選択して学校に通知し、学校ではそれを子どもに受けさせる。無宗教の先生はコミューンが選ぶが、各宗教の先生はそれぞれの教団から派遣され、法律が宗教の上にあるということを基本に、憲法で定められた民主主義を尊重し、他の宗教に対する寛容の姿勢、等の条件をつけるだけで、他の内容はそれぞれに任されている。選択者の大よその割合は、無宗教とカトリックがいずれも約35%、イスラム教が約20%、プロテスタントとユダヤ教を合わせて約10%、正教会が若干、とのことだった。政治と宗教を「分離」するのではなく、政府は宗教に関して「中立」という立場をとり、社会人としての責任ある正しい判断と自己管理については学校で教えるという任務があると考えている、とのことでした。

Ecole Communale Parc Malou 視察

着いてまず、右側の建物に行きます。
一旦、ぞろぞろ入ったのですが、またすぐ出て来ました。
反対側(最初の門に向かって左側)の敷地に入って行きます。

門柱にこんな看板が・・・電池の回収のようです。 BEBATという団体が組織的にやっているようです。
(写真をクリックすると、を拡大できます)
とりあえず軒先で雨宿り
こちらの建物に
入って行きます。中では、いくつかのグループに分かれて、順に教室で授業をやっているところを回って行きました。
算数で、単位の換算をやっていました。ベネルクスでは、cl(センチリットル)という単位を飲み物などで見かけましたが、ここでも出ています。
「例えば ÷4 ×(1/4) ×0.25 25% というのが頭の中ですぐつながっていると、計算が速く間違いなくできる。」
ということを、よく学生諸君に言っているのですが、まさにそれを図解したものでした。
横の骸骨の模型は、帰国後に見て気づきました(^_^)
教室の壁にはいろいろな掲示が貼られていました。
分別回収とリサイクル、水の循環、門柱の看板といい、環境問題への関心の高さが分ります。
これは歴史年表です。授業で出てきたことを貼っていくのでしょうか?
ヒッポクラテスはいいにしても、Claude Galien て誰だ? と思って調べたところ、 日本ではガレノスまたはガレヌスと呼ばれ、古代ギリシアの医学者だそうです。
教室の外の掲示です。
校舎を外側から見たところ。水曜日なので子ども達はお昼で帰って、ガランとしています。
校舎の外にみんな荷物を置いてどこかに行っています。迎えを待っているのでしょうか?
手を振っている子がいます。
初めの校門
校名の入った道標を撮ったのですが・・・
(写真をクリックすると、を拡大できます)

昼食のため Grand Place へ

道標のMalou Mediatine は、Chateau Malou のことのようです。
Avenue Emile Vandervelde(N226, Avenue Paul Hymans の東の延長)に出て西に進みます。
l'hotel communal を左手に見て、Avenue Paul Hymans(N226) を進みます。
Montgomery Circle の噴水まで戻って来ました。
Avenue de Tervueren を西進
道標の一番下の Porte de Tervueren は、Avenue de Tervueren(N3) の西端(起点)にあたり、Metro の駅名は Merode
正面の50周年記念門(サンカントネール、Arcade de Cinquantenaire)をズームアップ
独立50周年を記念して1905年に建てられたとか。
見えているのはTram81
左手にMetro の Merode 駅の入口のサインが見える。
左下の黒く写っている部分は、正面のサンカントネール公園(Parc du Cinquantenaire)の下をくぐってSchuman側に出る道路(N3)のトンネル入口。
再び間近に50周年記念門
おなじみ欧州委員会のビル(ベルレモン Batiment Berlaymont)。 ちょうどこの時に開かれていたのは、 European Food Safety Authority (EFSA) Five Year Anniversary Scientific Forum
(写真をクリックすると、を拡大できます)
王宮(Palais Royal)
同上
ロワイヤル広場(Place Royale)の聖ヤコブ教会(と日本人は呼んでいるらしい。仏語では Eglise Saint-Jacques-sur-Coudenberg)
この広場へは、午後、王立美術館のためにまた来ることになる。

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