スペクトルについて

このページの図などは、 科学技術振興事業団(現 科学技術振興機構)の著作・制作によるデジタル・コンテンツ、 「マルチメディアで見る原子・分子の世界」および 「目で見て操作する『分子の世界』−そのミクロ構造と物性−」 に使用されているものを利用させて頂きました。
科学技術振興機構の理科ねっとわーくのページも参照して下さい。

様々な光源の出す光を、分光器に通すと、光が波長の違い(色の違い)によって分かれて スペクトルが観測されます。下の図は、太陽、電灯、ネオン放電管、水素放電管、 水銀灯、ナトリウムランプ、の出す光のスペクトルを示しています。

上の図を見ると、太陽や電灯の光のスペクトルは、少しずつ波長の違う光がつながってべったりと塗りつぶした ように見える(連続スペクトルと呼ばれます)のに対し、ネオン、水素、水銀、ナトリウムの放電管の 光のスペクトルはとびとびの波長の光だけが光る輝線となって見えます(線スペクトルと呼ばれます)。

上の図にはありませんが、蛍光灯の光のスペクトルを見ると、線スペクトルと連続スペクトルが重なったように 見えます。しかしいろいろな蛍光灯(特に「三波長形」というタイプ)についてスペクトルを調べてみると、 連続スペクトルではなく、ある波長の範囲は光っていない、即ち黒く抜けていことが分かりますます。 このようなスペクトルは、ちょうど線スペクトルを紐(ひも)にたとえると、紐の幅を広くして「帯」に したように見えるので、帯スペクトルと呼ばれます。蛍光灯の光の帯スペクトルに重なっている線スペクトルは スペクトル上での位置(波長)を調べると水銀灯の光の線スペクトルと一致していることが分かります。

太陽の光球や電灯のフィラメントのような高温の物体の出す光のスペクトルは連続スペクトルになります。 放電管中などで原子の出す光のスペクトルが線スペクトルになります。 そして実は、帯スペクトルは分子の出す光です。


さて、もう一度上のスペクトルに戻って、太陽光のスペクトルをよく見て下さい。黒い細い線が何本も入っているのが 分かります。このような線は同じ連続スペクトルの電灯の光にはありません。これはその波長の光が抜けているという ことを意味し、暗線と呼ばれます。特に太陽光で観測される暗線をフラウンフォーファー線と言います。 これは光球から出た光が太陽の周辺や地球の大気を通り抜けて地表に届くまでの間に、様々な原子によって吸収 されるために起こる吸収スペクトルの一種で、原子が原因であるため線スペクトルです。 暗線が吸収の線スペクトルであるのに対し、先に出てきた輝線は発光の線スペクトルです。

電灯の光の連続スペクトルを見ながら、光の経路に色のついた透明な下敷きを置くと、スペクトルの一部が黒く 抜けるのが分ります。これは下敷きに混ぜてある色素の分子がある幅の波長の光を吸収したことによって起こる 吸収スペクトルで、分子が原因であるため帯スペクトルです。


以上で学んだことを、次の表にあてはめながら、自分で整理してみなさい。

  発光スペクトル 吸収スペクトル
連続スペクトル   --------------
帯スペクトル    
線スペクトル    

線スペクトルの波長は原子の種類ごとに定まっています。同じ波長で条件によって発光(輝線)が観測 されたり吸収(暗線)が観測されたりすることもしばしばあります。地球上の放電の発光スペクトルで 観測された複数の輝線のそれぞれと全く同じ波長で複数の暗線が観測されれば、その原子が太陽の周辺 か地球の上層大気中にあることが分かります。また、未知試料を入れて放電させ、そのスペクトルの輝線 の波長を調べることによって、既知の元素の輝線の波長表(簡単なものは理科年表にも出ています)と 照らし合わせて、含まれた元素を分析できます。このような方法を分光分析または スペクトル分析と呼びます。

よく知られた「炎色反応」は、分光器を通さずに目で色の違いを見て識別しますが、同じような原理 に基づくものだとうことは、もう分ったと思います。

Li Na K Cu Ca Sr Ba

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