伊藤慎悟
藤井俊行
星空の観察は小学校理科教育で取り上げられています。確かに星空は子供 の科学に対する夢と関心を育んでくれる好適な教材です。
星空の写真には肉眼で見える星よりはるかに多くの星々が写っています。 慣れてない人にとって、肉眼で見て星座を探すのは星座によっては楽なこと ではありません。天体写真で星座を確認することを併用すれば、子供たちに とっても星座を探しやすくなるでしょうし、子供の関心もより高まるものと 思います。
その天体写真が子供自ら撮影したものであるなら、効果は一層大きなもの となるでしょう。
子供たちの星空観察には大人の付き添いが必ず必要になります。親子で共 同して天体写真を撮影し、その写真も活用して星座を探すことは子供たちにと って大きな喜びになります。
とはいえ、天体写真の撮影には赤道儀とシャッターの開放ができるカメラ が必要になります。しかしそのために市販の赤道儀や一眼レフカメラを購入す るには費用がかかりすぎます。
たまたまNHKの科学教育番組「やってみようなんでも実験」で手作りの 手動式赤道儀について紹介していました(NHK教育平成12年12月1日、 実験名人:平川俊夫氏)。また、レンズ付きフィルムを改造してシャッター開 放時間を自由に操作できるように細工してそれで天体写真を撮影することがで きることも述べていました(米村伝次郎氏)。そこで私たちもこの番組を参考に して自作の手動式赤道儀をつくり、天体写真の撮影に挑戦しました。そして、 手動式赤道儀でもよいのですが、できたらモータードライブの赤道儀ができな いだろうかとさらに欲を出し、url http://www1.u-netsurf.ne.jp/~f-ikeda/ のf-ikeda氏によるウェブページを参考にして自作の手動式赤道儀のモーター ドライブ化も試みました。
今の小学校理科では多くの単元で「ものづくり」をして実験するようにな っています。親子が協力して手動式赤道儀をつくり、それをつかって天体写真の 撮影をすることが充分に可能なことが、私たちが実際に製作してみて分かりま した。
取り組んだ日数が限られていたため充分な枚数の天体写真を撮影すること はできませんでしたが、以下に製作した機材と天体写真を示します。なお、 モータードライブの赤道儀を使った天体写真は、手動式のもの同様に撮影が 可能であることを確認するだけにとどまっていますので、以下では示してい ません。
それから、天体写真はすべて画像補正してあります。また、レンズ付き フィルムで撮影した天体写真は画像の質がよくなかったためモノクロ化しました。