物理教育あれこれ
常葉学園大学教育学部物理学研究室
左に示されているのは京都市青少年科学センターに所蔵されている
朝永振一郎博士の色紙です(岩波文庫『量子力学と私』から借用)。
言うまでもありませんが、朝永博士は「素粒子物理学に根本的な
結果をもたらした、量子電気力学の分野における基礎的研究」に対してアメリカの
J.S.シュウィンガー、R.P.ファインマンの両博士とともに、1965年度にノーベル
物理学賞を受賞しました。これは1947年に中間子論で我が国初のノーベル賞
(物理学賞)を受賞した湯川秀樹博士に次ぐものです。
朝永博士のこのメッセージのように、また「あたまと手をよく使い、
もののしくみを考えながら、たのしく科学をしよう」の精神で、子供たちに科学のすば
らしさを伝えようと、学生たちは、子供向け科学実験をさまざまな機会をとらえて行い
ながら、あすの理科教育のあるべき姿を日々追求しています。
物理学研究室で取り組んだ学生たちの卒業研究(特別研究)の成果を
一部公開しています。学生たちは小学校の教師になることを目指して学び、卒業後には教師とし
て、あるいは一般社会人として巣立っていきました。なお、卒業研究では学生の自主性を
大いに尊重しています。したがってタイトルも多くは学生が自ら付けたものです。
- 1994年度(平成6年度)
- 荒谷博志
- フーコーの振り子=振動面の変化の観察と教材開発=
- 今井隆行
- 地上における放物運動の軌跡の教材開発
- 壺井拓哉、伊藤さおり
- 聴覚の方向知覚
- 林龍太朗
- 電気回路上のカオスとコンピュータシミュレーション
- 三浦康弘
- 電気回路におけるカオス
- 1995年度(平成7年度)
- 波多腰英幸
- 人工衛星のコンピュータシミュレーション
- 宮坂俊毅
- セバリーの蒸気機関
- 鈴木覚
- パラボラ鏡による音の反射
- 1996年度(平成8年度)
- 内村浩司
- 水波における屈折・回折・干渉
- 宮城真帆、吉永仁美
- 放射性崩壊、
[「ベータ線の測定実験の確率・統計の
教育への応用」本学研究紀要 教育学部 第17号(1996年)]
- 1997年度(平成9年度)
- 野末淳
- 翼の揚力
- 1998年度(平成10年度)
- 青木恵
- 磁場が生物に与える影響
- 1999年度(平成11年度)
- 月居一誠
- Java言語を利用したブラウン運動のWeb教材、
[杉山美紀さんとの共同分担研究です。科学技術振興事業団提供のCATVの
教育番組「パペッツの回路」でとりあげられました。]
- 杉山美紀
- ブラウン運動、
[月居一誠さんとの
共同分担研究です。科学技術振興事業団提供のCATVの教育番組「パペッツの回路」
でとりあげられました。]
- 高沢美樹、望月綾乃
- 針穴写真機
- 2000年度(平成12年度)
- なし
- 2001年度(平成13年度)
- 川西直也、鳥沢直矢
- 望遠鏡の制作
- 小関真希
- ピンホールカメラとレンズ付きカメラの教材開発
- 2002年度(平成14年度)
- 伊藤慎悟、藤井俊行
- 赤道儀の製作と天体写真
- 平田勇二
- 「総合的な学習の時間」評価開示システムの開発=評価と一体化した「生きる力」を育む学習システムの提案と実践=