8.ばね振動のブラウン運動
初期化ボタンを押すと,初めからグラフを書きなおします.
値を変更した場合も,初期化ボタンを押してください.
停止ボタンで一時停止します.再開するときは開始ボタンを
押してください.
空気中に面積1mm2の小さな鏡を細い弾性のある糸でつるし,その鏡に光を
当てて,反射光の方向から鏡の回転角を測る実験をカプラーがおこないました.乱雑
に運動している空気分子が鏡に当たると,鏡は左右に乱雑な角度で回転することが見
られました.すでに述べたように,微粒子が大きくなるとブラウン運動はだんだんみ
られなくなります.しかし,鏡は1ミクロンほどのブラウン粒子よりはるかに大きい
のに,鏡のブラウン運動が見られたのです.
ここでは,空気分子から力を受け,糸がねじれて鏡が回転する
上の場合のかわりに,ばねにつけられた重りが分子から乱雑な力を受けて運動する
モデルを考えて,そのシミュレーションをします.
左端の重りは上下方向にしか動かず,ばねの伸び縮みがない点
を原点としています.重りが原点より上に行けばばねは伸び,原点より下ではばねは
縮みます.したがって,外部から重りに何も力が働いていないときには,重りは
原点を中心として単純な振動をします.
粘性抵抗を”中”,温度も中間くらいにして,”初期化”
ボタンを押してください.重りを原点の方向へ戻そうとするばねの力が働きます.
しかし,重りに分子からの乱雑な力がくわわるので,重りの運動は単純な振動では
なくなります.
この重りに分子の乱雑な力しか働かない場合には,重りは
すでに見てきたようなブラウン運動をして,時間がたつとどこかへ行ってしまい
ます.しかし,重りを原点の方向へ引っ張るばねの力が加わっているため,重り
は時間がたっても遠くへ行ってしまうことはありません.重りは原点のまわりで
乱雑なブラウン運動をし続けます.
粘性抵抗や温度の値を変化させて,動きがどう変わるか
確認してください.
次(9.最後に)へ
もくじに戻る