Kubo's Junk RoomVersion 0.2 (2002年12月2日)
光軸をフィルム中央からずらすことのできる通称「シフトレンズ」。株式会社ニコンではPCレンズ(Perspective Control)と呼んでいる。建築撮影や商品撮影などに主に利用されるため一般ユーザには馴染みが少ない。
2001年4月現在でニコンは28mm/F3.5、85mm/F2.8Dの2種類のシフトレンズを生産しており、前者は建築撮影、後者は小物を中心とした商品撮影を主な目的としている。この35mm/F2.8のシフトレンズが現行ラインナップからはずれたのは、画角が建築撮影には狭すぎ、商品撮影には広すぎるという中途半端なものであったからであろう。ただ、遠近感に多少の不自然さが伴うことを除けば、アマチュア向けには双方の目的をカバーできる便利なレンズである。なお、この主の目的のレンズはほとんどが中判カメラ用のもので、35mmカメラ用は極めて少なく貴重である。(大判カメラの場合カメラ自体にその機構がついている場合が多い)
使い方によっては便利なシフトレンズであるが、問題点はある。シフト側(前部)に絞りがついている機構上、本体側からの絞り連動が不可能なため、TTLによる開放測光ができない。シフト時に他の単焦点レンズに比べ周辺光量が落ちやすい等々である。
レンズ構成 | 7群7枚 |
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最短撮影距離 | 0.3m |
あおり方向 | 360°(30°ごとにクリップ) |
最大あおり量 | 11mm |
フィルターサイズ | 52mm |
質量 | 320g |
価格 | 59,000円 |
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